アニメーター科講師の北之原です。
4月に入塾した34期生の最初の授業を終えました。
教科書を基に、常識的な知識の講義です。同時にアニメーションの作り方を考えて、一年間何を学ぶかの整理をします。
絵に命を吹き込むとは何か?
その為に必要な事は何か?
プロになってから、必要な事は何か?
客観的に考えながら、目標を明確にしていきました。
正解は一辺倒ではないですから、個人の資質を生かしながらの進め方が理想だと考えています。
最初の実技は、描きながら自身の画力と向き合って、今後の練習につなげる事を進めています。

いつもプロ養成塾のブログをご覧いただき、ありがとうございます。

アニメーター科第35期生(2026年4月入塾)の募集が開始いたしました。
入塾審査のエントリー受付は5月19日(月)午前10:00締め切りです。

プロのアニメーターを目指す皆様からのご応募をお待ちしております!

現在私は「障害物を越える」という課題に取り組んでいます。

柵を飛び越えるという動きで、一度は経験したことのある動きであるのに自分で実際にやってみてもなかなか描くことが難しい課題でした。

自分が思っているよりも動きが大きかったり、固定概念でイメージしているところがあったりしてなかなか動きを自然に見せるような動きの演技プランを立てることに苦戦を強いられました。

また、パースもかかっていることもあって描くのが難しいポーズになるところもあり、何度も描いては消してのトライ&エラーでした。

この課題からは、実際の動きをよく観察して、何が要点になっているのか、動きの支点がどう変化したのか、動きのエネルギーの流れはどのようになっているのかなど、様々なところに注目してそれを一つ一つ汲み取ることの大事さを学びました。これをしないとあやふやなイメージのまま描くことになり、動きがチグハグになったり不自然な動きの流れになったりしてしまいます。

自然な動きを表現するためにはもっと誠実に観察をして様々な発見をしていかなければならないのだと改めて痛感しました。

この課題から得た学びや発見を他の課題にもしっかりと反映させて、自分がイメージした「自然な動き」を描けるようにこれからも鍛錬していきます。

アニメーター科講師の大野です。

今の時期は、前期生が卒業制作のラストスパートからいよいよ完成させる頃です。
また後期生はレイアウトの授業や動きの課題に取り組んでいます。

私はその中で動きについて担当しています。

絵を動かすことはアニメーションの一番面白いところです。
塾生には、課題・制作で動かす面白さがより感じられるといいなと思いながら授業をしています。

課題を取り組む塾生にとっていざ描き進めると、イメージはあるのになかなか思うように描けないときがあり、苦しいと思います。
それを講師が塾生の表現したいことを受け取り、より良くするにはどういったことをすればいいだろうと一緒に悩み、考えながら伝えています。

塾生のあげてくる絵をみていると、同じ課題であっても一人一人が想像するシチュエーションや感情・ポーズは全部違っているのでアニメーションの可能性の広さ、面白さを改めて感じます。

画力や技術は一朝一夕で成長はできませんが、塾で続けてきたことが半年後・一 年後に自身の変化としてきっと感じられると思います。そして絵を動かすこと、アニメーションづくりの面白さを感じてもらいたいです。

卒業制作が始まり早くも二ヶ月が経ちました。
私は日本史の〈戦国時代〉を題材にした作品を制作しております。
卒業制作はこれまでの半年間でインプットしたアニメーション制作のための知識・技術をアウトプットする時間であります。この期間で塾にて教わった授業内容が卒業制作になって再学習されているなと実感しています。その中で特に重要だと実感したものが二つあります。

一つ目はアニメーションにおける「メリハリ」です。これは「武士が主人公に向けて弓矢を放つ」シーンを制作している時に実感しました。
始めに「武士が弓を引き、放った弓矢が勢いよく進んでいく」一連の動作を自分が思うイメージのままに制作しました。しかし完成映像からはどこか迫力に欠ける平坦な印象を感じてしまうものになってしまいました。
そこで講師の方にアドバイスを伺うと「メリハリを意識してみたら?」という助言を頂きました。助言を受けて、「武士が弓矢を弦いっぱいに引き絞る」=「タメ」の時間と、「放たれた弓矢が一瞬にしてトップスピードに達する」=「開放」の時間の二段階を意識して修正をおこないました。すると「ズバッ」とスピード感と迫力のある作画を表現でき、イメージに近しい映像をつくることができました。タメと開放、静止と運動、緊張と緩和などを包括的にした「メリハリ」がアニメーションにおける根本的な原理であり、この体験を受けて作画に「メリハリ」が加わることがいかに重要かこれまで以上に感じることができました。

二つ目は「観察」です。
上述した弓矢を放つ作画をするうえで、実写やアニメの弓道シーンを注意深く観察しました。スロー再生で一コマずつ映像を観てみると、弓矢をカメラが捉えきれず、弓矢が二重にブレていたり、しなって「くの字」に湾曲していたり、といった一コマが映像の中に潜んでいました。このような一コマが加わることでスピード感のある映像が生まれているのだと知ると同時に、ただ呆然と映像を見ているだけではこのような発見には至らないのだと自身を省みる良い機会となりました。
この体験を受けて「観察」の深度が高まったと実感しています。今後もあらゆる映像をコマ送りで見ることを意識しておこなっていきたいと思います。

これまでの塾で学んだ「メリハリ」と「観察」がより一層大切であるとこれまで二ヶ月間の卒業制作で気づかされました。この経験を残りの一ヶ月間に生かして、完成した作品が理想の映像となるよう頑張っていきます!